母は母である前に、かつては一人の少女であった。
業者のように小麦粉を仕入れ、フランスパンを焼くのが趣味。家族に焼きあがったパンを見せ、一人ずつ感想を強要する。焼き上がりのエッジがどうだとか、フォルムがどうだとかの説明がやたら長い。
毋は結婚前までは、実家で犬を飼っていた。
残念ながら結婚前に天命を全うし亡くなってしまったのだが、今でも話に出るほど愛して止まなかった。
愛犬の名前はチャッピー。
少女だった母は、チャッピーのことが大好きだったんだ。
母の幸せ。母としての幸せ。
結婚後2人の女の子に恵まれ、ここ10数年、母は母としての立場を全うしてきた。
炊事、洗濯、掃除、子供の世話…。
大変。毎日大変。
ゆっくりできるのは子供が寝静まった後の1〜2時間だけ。
大変。毎日大変。
毎日大変だが、可愛い娘たちに囲まれた生活は何にも代え難く楽しいのだ。
寝る前は必ず娘たちの寝顔を確認し、頬にキスをする。
そこには確実に『母』としての幸せがあった。
柴犬ガウナの登場!眠っていた少女を起こしてしまった。
ガウナが我が家の一員となって早2ヶ月。
母のガウナへの愛情は日に日に深くなってきている。
普段はいつも通りの凛とした母ではあるが、ガウナへの愛情表現は確実に母ではなく少女に戻っている。
母の少女化その1 匂いフェチ
ガウナを全身嗅ぎまくる。
肉球に至っては「足の裏はポップコーン」とか言って、鼻を擦り付けて臭いを嗅ぐ。
母の少女化その2 キス魔
ガウナにキスを強要する。
ガウナも嫌いじゃないのでおとなしく受け入れるが、息が続かない。
母の少女化その3 似顔絵を描いて壁に貼る。
小2レベル。
母の少女化その4 乳歯のコレクションを始める。
ガウナは大人の歯に生え変わる時期。
歯が抜けると多くの場合飲み込んでしまうが、たまにゲットできる。
この間は散歩時に出たうんち袋をモミモミして、歯が入っていないか確認していた。
いや、あったらあったでどうすんの??
そんな母へのプレゼント。
ガウナが母の癒しになってくれて本当によかった。
母、いつも家族みんなのことをお世話してくれて、本当にありがとう。
そんな母へ、ささやかだけど父からのプレゼント。
今朝、たまたま手に入れることができたんだ。
母、いつも本当にありがとう。
父より
今朝たまたまゲットできたガウナの奥歯
ポップコーンの匂い、とても良くわかります!
それと、口元のゴムパッキンみたくなったいるところの匂いも好きです。