事の発端は、何気無い次女の一言だった。
PM20:00
夕食も終わり、家族だんらんの至福の時間。
次女はガウナの横に寝転び、うっとりとした目でガウナを見つめていた。
うとうとしているガウナの横で、次女がぼそりと呟いた…
次女「ガウナって誰のことが一番好きなんやろ?」
次女はガウナに一番モテたいと思っている様だ。
次女「次女のことを一番好きでいてくれてるかなー?」
次女のガウナを思う気持ちにはほっこりする。
しかし残念ながら、ペットショップからお迎えしたのも、夜の散歩も、ガウナが夜泣きした時も、一番手をかけているのは現時点では父だ。
父「ははは。次女もよく世話をしてくれているけど、現時点では父のことが一番好きなんじゃないかなー。」
(でも、すぐに次女の事ももっともっと好きになるよ)そう思いながら、父は優しく応えた。
その時だった。キッチンから突然
母「は?何言ってんの?母のことが一番に決まってるじゃん!」
父「え?」
さらには、スマホを片手に
長女「ちょいちょい。長女に決まってるじゃん。」
父「え?え?」
そんな長女の態度に次女も黙ってはいない。
次女「はー?長女は絶対ないわ!」
長女「は?(怒)」
父「ちょ…」
なんと、驚くことに家族全員、自分が一番ガウナにモテていると思っていた様だ。
そこからの争いは醜いものだった…。
絵に描いたような幸せの団欒は一変、血で血を洗う激しい舌戦となった。
皆それぞれが一番愛されている理由を主張する。
一番手:父
次女「父がデブでぬくいから」
長女「父のパジャマがもふもふだし、デブだから」
父「デブじゃねーし!」
二番手:母
次女「母の太ももが太いだけ」
長女「母がホットカーペットの上から微動だにしないだけ」
母「絶対、母が好きでくっついてきてるし!」
三番手:次女
母「口の周りのチョコを舐めてるだけ」
長女「毎日顔を洗ってないからじゃない?」
次女「絶対、一番は次女やしな!」
四番手:長女
母「お前はない」
次女「お前はない」
長女「ひどい…(涙)」
ガウナから一番モテたい、という皆の思いをガウナは知る由もない。
終わり
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